鹿の角を犬に与えるデメリット|歯が欠ける・折れる・割れるリスクと誤飲の危険性を解説
ペットショップや通販サイトでも見かける「鹿の角」の噛むおやつ。
「天然素材で長持ちするし、噛み応えがあるからストレス解消やデンタルケアにおすすめ」と紹介されることが多いです。
SNSでも「歯みがき代わりになる」「夢中で噛む」といった声を見かけますが、
など、見過ごせないデメリットが多数報告されています。
本記事では、鹿の角を与える前に知っておきたい具体的なリスクと、与えるときの注意点などをまとめて解説します。
愛犬の歯と健康を守る判断材料としてお役立てください。
鹿の角を犬に与えるデメリット

鹿の角が愛犬家に支持される理由は、
という期待からです。
鹿の角を噛むことで、噛むことが好きな犬はストレス発散になりますし、歯垢や歯石が取れることもあります。
しかし、硬い鹿の角を長時間噛み続けることで、様々なリスクがあるので紹介します。
歯が欠ける・折れる
鹿の角はとても硬く、犬の歯よりも頑丈です。
「カリッ」と噛んだ瞬間に、
など、犬の歯が負けてしまうことがあります。
動物病院でも「鹿の角を与えていたら前歯や奥歯が割れてしまった」という相談があるようです。
最悪の場合は抜歯手術が必要になるケースもあります。
歯が割れて神経にダメージ
歯が欠けるだけでなく、深く割れてしまうと歯の神経(歯髄)が露出します。
すると犬はごはんを食べられなくなったり、強い痛みでストレスを抱えるようになります。
人間と違って「痛い」と言えない犬だからこそ、飼い主が気をつけなければいけません。
噛むのが好きなわんちゃんは要注意です。
破片を食べてしまう危険
鹿の角は少しずつ削れて小さくなっていきますが、噛んでいるうちに小さく割れたり、欠片が出ることがあります。
その破片を飲み込むと、
といったリスクが発生します。
呼吸困難に陥ったり、開腹手術が必要になったケースも報告されています。
鹿の角を与えている間は目を離さないようにしたいですね。
衛生面のリスク
鹿の角は天然素材なので、殺菌処理が不十分だと雑菌や寄生虫が残っている可能性もあります。
屋外で拾った鹿の角をそのまま与えるのは特に危険です。犬用に加工された商品を購入して与えるのが望ましいでしょう
生の角は数日天日干ししたり煮沸消毒が必要です。
鹿の角を愛犬に与えるときの注意点

鹿の角は、犬にとってストレス発散になったりデンタルケアができる天然素材の噛むおやつで人気です。
しかし、与え方によっては愛犬にケガをさせてしまうリスクもあります。ここでは、鹿の角をを愛犬に与える際の注意点を紹介します。
長時間与えたままにしない
鹿の角は非常に硬く、長時間噛ませるほど歯に負担がかかります。
1回あたり10〜15分程度の短いセッションに区切り、1日1〜2回までにしましょう。興奮して噛む力が強まる前に切り上げるのがコツです。
取り上げる合図(「ちょうだい」「アウト」)を日頃から練習しておくと、無理なく終了できます。
なかなか口から出してくれないときはトレーニングしましょう。
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与えている間は目を離さない
噛んでいる最中は必ず飼い主さんの監督下で。
などのサインがあればすぐに中止しましょう。
歯が折れたりグラグラしたり、目を離しているすきにケガが大きくなってしまうこともあります。
多頭飼いでは取り合いで丸のみ事故が起きやすいので、1頭ずつ与えたりクレートで与えたり工夫しましょう。
小さくなったら交換する
など、いずれかに当てはまったら即廃棄することも大切です。
口の奥まで入りやすく、破片の誤飲・喉や消化管の損傷リスクが急上昇します。
小さくなったら誤飲のリスクが大きくなるので、代替トイへ切り替える判断をしましょう。
丸飲みする癖のあるわんちゃんは要注意です。
鹿の角を食べてしまったら…
無理に吐かせないでください。尖った破片で喉・食道を傷つける恐れがあります。
などがあれば至急受診。
食べた時刻・大きさ・形状を控え、残りの角を持参のうえ、早めに動物病院へ相談をしてください。
自己判断で食べ物や油を飲ませて流し込むのもNGです。
鹿の角は消化できないので、飲み込んでしまった場合は自己判断せず、必ず獣医に相談してください。
鹿の角の代わりにおすすめの噛むおやつ

といったポイントに注目して、鹿の角より安全度の高い代替案をピックアップしました。
与える時間は短め(10〜15分)、必ず見守り、サイズが小さくなったら回収するのが基本です。
アキレスジャーキー
牛・馬・鹿のアキレスは天然素材で無添加ですし、コラーゲン主体で繊維がほどけるため、角や硬い骨より歯にかかる衝撃が小さくすみます。
噛む満足感が高く、歯が繊維に入り込んで歯垢をこすり落とす補助にもなります。
ただし、小さくなったら丸飲みするリスクはあります。慣れるまでは手で持ちながら与えるといいでしょう。
我が家の愛犬は小さくなったらカミカミして軟らかくなってから飲み込んでいます。
おすすめは鹿アキレス!硬すぎず軟らかすぎな良くて調度いい感じ♪
鹿アキレスをカミカミしてたら奥歯の歯石が取れてたよ♪
最近は「鹿アキレス」が人気ですぐに在庫がなくなってしまいます。
鱈の皮ジャーキー
鱈の皮ジャーキーは、身を削ぎ落としているため薄いですが、噛み心地はガムに近いシットリ系で、魚の旨味を長時間堪能できちゃいます。
というのが魅力の、天然素材の噛むおやつです。
キッチンバサミで食べやすい大きさに簡単にカットできるのもうれしいポイント。愛犬の食べるスピードに合わせてサイズを調整できます。
我が家の愛犬は、手で押さえて噛み千切ったり、奥歯で噛んだりして味わっています。
丸飲みするリスクもゼロではないため、目を離さないように気を付けましょう。
香ばしくてとってもいい匂い♪
噛む力が弱いぼくでも楽しめるよ♪
アキレスジャーキーよりコスパがいいです。
鹿の骨
噛むのが大好きな犬は鹿の骨もおすすめです。肉の部分が一緒にくっ付いていたり骨髄が含まれるので、食いつきは抜群です。
ただし、アキレスジャーキーや鱈の皮ジャーキーに比べると、骨は生でも乾燥でも硬く、歯の破折リスクは高いです。
といったリスクもあるため、目を離さない、長時間与えたままにしないことは必須です。
初めて与える場合は、肩甲骨やアバラ骨など、比較的軟らかい部位から与えてみるといいでしょう。
いつまでもしゃぶり付いていたい♪
ぼくは骨が割れる音が怖くてダメだった・・・
骨が鋭利に欠けることもあるので、現在は与えていません。
まとめ|鹿の角は魅力的に見えてもリスクが大きい
鹿の角は「自然素材で身体に良さそう」と思われがちですが、実際には犬の歯を傷つけたり、誤飲事故につながる危険もある噛むおやつです。
歯が欠ける・折れる、誤飲してお腹に残るなど、手術が必要になるケースもあり、愛犬の生活の質を大きく下げてしまいます。
鹿の角を与える場合は、
など、細心の注意を払って楽しませてあげましょう。
鹿の角を与えるのが心配な場合は、アキレスジャーキーや鱈の皮ジャーキーなど、角より軟らかくて噛むことを楽しめるおやつがおすすめです。





