愛犬の健康維持や栄養バランスを考えるうえで、犬の食事内容にこだわっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
近年、ジビエフードを取り入れた食事が注目を集めており、愛犬に「鹿肉」を与える飼い主さんが増えてきています。
鹿肉は、高タンパク・低脂肪・低カロリーなヘルシーな食材で、アレルギーリスクが少ない食材と言われています。
栄養豊富でヘルシーな食材の反面、購入する際のデメリットや愛犬に与えるときの注意点もあるので紹介します。
本記事では、鹿肉を愛犬に与えることで期待できるメリットから、気を付けるべきリスクや具体的な注意点まで徹底的に解説します。
愛犬に鹿肉を与える際のデメリット

鹿肉は、ヘルシーで栄養豊富なことから、愛犬の食に気を付けている飼い主さんから注目を集めている食材です。
愛犬に与える前にデメリットを把握し、注意点を押さえておきましょう。
生肉は寄生虫や細菌のリスクがある
野生の鹿は、
などを保有している可能性があり、鹿の生肉を与える場合、食中毒のリスクが懸念されます。
生肉を与えるのが不安な場合は、以下の対応をとることでリスクを軽減できます。
- 生肉は加熱してから与える
- ジャーキーなどの加工されたおやつを与える
- 信頼性のあるショップで購入する
- 「ヒューマングレード」や「国産」といった表記がある商品を選ぶ
生食用の鹿肉を選ぶ際には、衛生管理の基準や流通規格の遵守などに取り組んだ「国産ジビエ認証制度」に登録している業者の商品が安心です。
生肉は保存が難しいので、ジャーキーやドライ加工されたおやつがおすすめです。
肝臓や腎臓に持病がある犬は注意
鹿肉に豊富に含まれる鉄分やタンパク質は、持病のある犬にとって負担となることがあります。
肝臓や腎臓に疾患を抱えている犬の場合、鹿肉の栄養を体内で分解できず、症状を悪化させるリスクがあります。
腎臓病の場合はタンパク質量を制限する必要があるので、鹿肉を与える際も少量から始めることを心がけてください。
健康状態に不安がある場合は、獣医師に相談の上で食材を選びましょう。
飼い主の慎重な判断が愛犬の健康を守る鍵となります。
下痢を起こす場合がある
鹿肉は高タンパクで栄養豊富な食材ですが、高タンパクということがデメリットになるケースもあります。
一度に大量のタンパク質を摂取すると、消化器系に負担をかけることがあり、下痢や軟便を引き起こす可能性があるのです。
初めて鹿肉を与える場合は、少量から始め、愛犬の体調や便の状態をよく観察してください。
栄養バランスを整えながら少しずつ慣らしていきましょう。
狩猟・加工されるので金額が高め
鹿肉を利用した犬用のおやつは、鳥や牛などを利用したおやつより金額が高めです。
日本では野生の鹿を狩猟して加工することが多く、以下が費用を高める要因となっています。
- 狩猟・加工する工程に多くの手間がかかる
- 衛生的な加工をするための施設が必要
コストを下げる方法として、輸入品の鹿肉を選ぶこともできますが、添加物が含まれている可能性があるため注意が必要です。
愛犬の健康維持のためにできるだけ無添加のものを選びたい場合は、国産の少ない量の商品から選択してみましょう。
大手ECサイトでは、国産の鹿を利用したフードやおやつの販売がほとんどです。
北海道産のエゾ鹿のおやつは到着までに時間がかかるので、楽しみにしながら気長に待ちましょう。
希少部位は売り切れることが多い
1頭の鹿からあまり数が取れない部位は、需要が高い一方で供給量が少ないため、売り切れることがあります。
これらは数があまり取れない希少部位で、愛犬への健康志向が高い飼い主さんに人気な部位でもあります。
特に、アキレス腱のジャーキーは、季節や仕入れ状況によっては売り切れることが多い印象です。
オンラインストアで購入する場合は、仕入れがあったタイミングで通知が来るように設定しておくのがおすすめです。
ペットショップで鹿のおやつを取扱う店舗も増えたので、足を運んでみるのもいいと思います。
愛犬に鹿肉を与えるメリット

鹿肉は、愛犬の健康にさまざまな良い効果があるとされています。
高タンパク・低脂質の特性や、アレルギーリスクの低さなどは大きな魅力です。
アレルギーのリスクが少ない
鹿肉の大きな特徴の一つは、アレルギーリスクが比較的低いことです。
愛犬がこれまでに食べたことがないタンパク質のことを「新奇タンパク質」というのですが、鹿肉はドッグフードなどであまり利用されてこなかったため、これに該当します。
新しいタンパク質を摂取することで、免疫が過剰に反応する可能性が低くなるため、後天的な食物アレルギーの発症リスクが軽減されるとされています。
また、野生の鹿は添加物を含む飼料を摂取するわけではないため、牛肉や豚肉と比べてもアレルギーを引き起こす可能性が低いと言えます。
愛犬によっては鹿肉アレルギーを持っている場合もあるので、初めて与える際は少量から始めるようにしましょう。
高タンパク・低脂質で体重管理をサポート
鹿肉は、
- 高タンパク
- 低脂質
- 低カロリー
で、ヘルシーな食材。
ダイエットが必要な犬や愛犬の体重管理を意識したい飼い主さんに最適です。
通常のドッグフードではカロリーが多すぎる場合でも、鹿肉を取り入れることで十分なエネルギーを供給しつつ、カロリーを抑えることが可能です。
また、鹿肉に含まれる「カルニチン」という成分は、体内の脂肪をエネルギーに変換する働きがあります。
日々たくさん運動する犬やシニア犬の体力維持にも適しています。
健康的な体重管理をしながら、必要な栄養をしっかり補給できるのが鹿肉の魅力です。
毛並みや毛艶を改善する
鹿肉に含まれる
- オメガ3脂肪酸
- ビタミンB群
は、犬の毛並みや皮膚の健康をサポートする栄養素です。
オメガ3脂肪酸は、犬の体内で生成することができず、食事から摂取する必要があるため、必須脂肪酸といわれています。
皮膚の炎症を抑える働きがあり、フケの予防や被毛の艶を向上させる効果が期待できます。
ビタミンB群は、新陳代謝を活発にして疲労回復を促し、皮膚・粘膜の健康維持に役立ちます。
鹿肉を食べることで、健康な皮膚と美しい被毛のコンディションを整えることができるのです。
鹿肉を与えてから被毛の手触りが良くなりました。
丈夫な身体をつくる
鹿肉は、筋肉や骨づくりに必要なタンパク質や鉄分を豊富に含んでいます。
タンパク質は、犬の身体をつくるうえで欠かせない栄養素で、日々の活動や運動を支えるエネルギー源になります。
骨を丈夫にする鉄分によって、元気に走り回る愛犬の骨や歯をしっかり支える効果が期待できます。
また、鉄分は全身に酸素を運ぶ働きを助けるため、疲れにくい体づくりに大きな役割を果たします。
バランスよく栄養を摂取できる良質な鹿肉を食事に取り入れることは、愛犬の丈夫な身体をつくるためにとても効果的です。
運動量が多い犬やシニア犬にとって重要な栄養素です。
薬膳的効能がある
鹿肉は中医学の観点でも注目される食材で、
- 身体を温める
- 骨や筋肉を強化する
といった効能を持っています。
血流を良くし全身の活力を高める働きもあり、疲れやすい体質や免疫力アップにも役立ちます。
この特性を生かし、体の冷えが気になるシニア犬や、エネルギー消費量が多い元気な愛犬に適している食材といえます。
愛犬に合う鹿肉フードの選び方

鹿肉は高タンパク・低脂質で栄養価が高く、愛犬にもおすすめのフードです。
鹿肉と言っても様々な部位があるので、どれを与えたらいいのか不安になる飼い主さんも多いことでしょう。
これらにフォーカスして、おすすめ商品を紹介していきます。
愛犬の喜ぶ顔を想像しながら読んでいただけると嬉しいです。
初めて鹿肉を与えるなら「鹿肉ジャーキー」
初めて鹿肉を与える飼い主さんは、シンプルな鹿肉ジャーキーがおすすめ!
中でも「ハバキ」と呼ばれるスネ肉を利用したジャーキーは、脂肪分が少なく、噛み応えがあるので、初めて鹿肉を試すにはピッタリです。
煮込み料理にも使われる部位ですが、わんちゃんにとってはまさに「肉を食べてるぞ!」というしっかりした肉感が魅力的。
低脂肪・低カロリー・無添加でありながら、しっかりとした満足感が得られるので健康志向の飼い主さんにもぴったりです!
ヨダレが止まらない美味しさ♪
まずはこのジャーキーからトライ!
初めて骨を与えるなら「リブボーンジャーキー」
骨に挑戦したいけど、いきなり大きな骨は心配…そんな飼い主さんにおすすめなのが「リブボーンジャーキー」です。
鹿のアバラに、ほんの少しのバラ肉を残して乾燥されています。
「少し残ったお肉」が風味豊かで、骨とお肉のちょうど良いバランスを楽しめます。
鹿骨は鶏肉のように縦に裂けるわけではないので、比較的安全に与えることができます。
鹿のあばら骨は他の部位の骨より軟らかく、パリパリと細かく割れるので、口の中を切ったりケガのリスクも少ないです。
カルシウムやミネラルが豊富で丈夫な骨をつくる役割もありますし、噛むことでオーラルケアの効果も期待できます。
無添加なので安心して与えられますし、愛犬の食いつきも良くなること間違いなし!
骨フード初心者の愛犬に、ぜひ試してほしい一品です。
骨からお肉をそぎ取るのが楽しいよ♪
骨まで美味しく食べれちゃう!
骨の破片が心配な飼い主さんは、目を離さないようにしましょう。

ガムのようにデンタルケアもしたいなら「アキレスジャーキー」
犬用ガムが好きなわんちゃんには、デンタルケアをしながら美味しさを楽しめる「鹿のアキレスジャーキー」が最適です。
アキレスジャーキーは噛み応え抜群で、デンタルケアにもなる優れもの!
鹿のアキレスは、牛や馬のアキレスに比べて細めで軟らかく、七面鳥アキレスよりは硬めにできています。
ちょうど良い硬さが、愛犬にとってストレスのない噛みごたえを提供します。
与えるときは誤飲などに注意して、手で持って与えたり、愛犬の大きさや性格に合わせて、無理のないサイズを選んでください。
骨が苦手なわんちゃんにもおすすめ♪
おなかの調子を整えたいなら「ドライトライプ」
愛犬のお腹の健康をケアしたいなら、近年注目される「ドライトライプ」は外せません!
トライプとは、「牛・羊・鹿といった4つの胃を持つ反芻(はんすう)動物の”胃袋”」のことをいいます。
鹿の胃の中にある栄養たっぷりの内容物をフリーズドライ加工しており、
- 消化酵素
- 乳酸菌
- ビタミン
- ミネラル
といった栄養素がたっぷり詰まっています。
腸の動きを促進して、免疫力を高める効果が期待できます。
野生感溢れる独特な香りがして、ご飯に少量トッピングするだけで、愛犬の食いつきが格段にアップします。
手軽に「野生の栄養」を取り入れられるので、日々の食事の質を上げたい飼い主さんにぴったりの商品です。
クセになる香りがたまらない♪

ガジガジが好きなら「鹿角」
おもちゃのように噛み続けられるものを探しているなら「鹿角」はベストチョイス!
鹿の角は、骨髄のような野生の旨みが香り、その香りが愛犬にとってたまりません。
少しずつ削れていくだけで長持ちするので、コスパが良い噛むおもちゃになります。
クンクン匂ってからガジガジと自然に噛み始めてくれる姿が可愛らしいですよ。
割れることはないので安心して与えられますが、長時間噛むことは歯にダメージを与えるので、与える時間を決めたり目を離さないように注意しましょう。
小さくなって誤飲しないように、早めに新しいものに交換しましょう。

愛犬に鹿肉を与えるデメリットや注意点|まとめ
鹿肉は、高タンパク・低脂質・低カロリーでアレルギーのリスクが少ないという特性から、健康的なフードとして非常に優秀です。
鹿の生肉を与える場合や、処理されていないものを利用するときにはしっかりと衛生面に気をつけることが大切です。
寄生虫や細菌のリスクが心配な場合は、加工されたジャーキーや骨などのおやつを与えるのが安心できます。
初めて与える場合は少量から始めて体調をしっかり観察することを忘れずに。
鹿肉を活用するなら、愛犬の体調や特性に合わせた適切な使い方を心がけてください。
愛犬の健康と幸せを支える最高のごはん選びに役立ててもらえたら嬉しいです!
